Robot and Frank

2012年にリリースされ、つい最近こちらでDVD化されたばかりのヒューマン(ちょっとSF)ドラマです。

痴ほうが始まりだした初老の男フランク(フランクランゲラ)。彼の二人の子供(ジェームズマーズデンとリブタイラー)は何かと一人暮らしのフランクの世話を焼いていた。ある日、息子は高性能の介護・執事ロボットを置いて行く。フランクは当初毛嫌いしていくが、徐々に打ち解けて行く、というストーリー。

ここまで見るとありきたりのストーリーに見えますが、この映画はまったくそんなところは見向きもせず、独自のストーリー展開を見せます。フランクは実は泥棒で、ロボットに泥棒のテクを仕込んでいき…と話しが展開します。

また彼が恋心を持つ図書館司書の女性(スーザンサザーランド)とフランクの関係もとても見物です。

ストーリーも非常に飽きさせず、かつじっくり展開しでも急ぎすぎず、ととても上手な映画作りです。

またロボット(このロボットに最後まで名前が与えられないのも味があって良いです)は「私に生命はありません。ただのロボットです」と繰り返し言うのですが、それでもフランクは徐々に親しみを抱いていくところなども興味深いですね。

90分ちょっとの短めの映画なのですが、このくらいしっかり作り込んでくれるとエンターテイメントとしてはものすごく良いクオリティのものになってきます。

日本では公開されていないようですが、もし機会があれば是非是非是非見て欲しい一本ですね〜。

あなたを抱きしめる日まで - Philomena

アカデミー賞にもノミネートされているジュディデンチ主演の実話に基づいたヒューマンドラマです。

1952年アイルランド、未婚の母フィロミナは強引に修道院に入れられた上に、一度の過ちでできた息子の行方を追わないことを誓約させられてしまう。その後、息子はどこかへ養子に出されてしまう。それから50年、イギリスで娘と暮らしながら常に手離した息子のことを案じていたが、娘の知り合いのジャーナリスト、マーティン(スティーヴ・クーガン)と共に息子の消息を探し始める、というストーリー。

90分ちょっとの短めの映画ですが、全体的にギュッと内容が詰まっており、それでいてせかせかしたカンジもなくとてもいいテンポで進んでいきます。純粋なフィロミナは教会を疑ったりすることを知らず、マーティンはイギリス人的な皮肉ったジョークを連発し、絶妙なコントラストで進んでいきます。

息子はアメリカの家族に引き取られていたことを突き止め、アメリカに二人で飛ぶものの・・・とこれ以上はネタばれなのでやめておきます。

でも中盤でフィロミナの抑えた怒りや葛藤。最後のマーティンの教会に対する態度など、非常に心に訴えるものと考えさせられるものが多々あります。

スティーブクーガンは今回プロデューサーと脚本も手がけていますが、俳優としてもあまりでしゃばりすぎていないで、とてもいい仕事をしています。

アカデミーには一歩及ばない感は否めませんが、見る価値ありの一本です!!