北の国から '92巣立ち

「北の国から」テレビスペシャル。

五郎は富良野で寂しい一人暮らし。旭川の看護学校を螢が卒業して地元の病院に勤める日を心待ちにしている。そんな父の思いを知りながらも将来に悩む螢は、勇次とのデートを重ねていた。東京のガソリンスタンドで働く純は、タマコに出会う。札幌のれいとの遠距離恋愛に疲れた純はタマコと深い関係になっていく。そんなある日タマコの妊娠を知った純は… (DVDパッケージより)

このあたりから,だんだん純と螢もドロドロになっていったかな,と思います。 ドロドロというよりも後ろめたいモノを常に抱えている状態になってきたかな,と思います。

純は,北海道のれいちゃんと電話+ビデオデートのみで,もんもんとする毎日。 仕事は相変わらず肉体労働で,特にこれといった趣味もなし,というつまらない生活をしていて,そんななかでトロ子と出会い,気持ちは一切ないのに深い関係に入って行く,という流れ。
若いときには陥りがちな穴を,またしても泥臭い表現をする倉元マジック。 妊娠・中絶したトロ子の東京での保護者となっている叔父のところへ(菅原文太っていうところが既にコワい)カボチャをいくつも持って誤りにいく五郎。 そんな彼に「誠意って一体何かね?」と問う叔父。 ここが今回のエピソードの山場かなと思います。

一方,螢は父の思いを知りつつ,富良野を通り過ぎてボーイフレンドに会いに行っている始末。 後ろめたい気持ちは富良野を通り過ぎる時だけであとはハッピー,というのはとても分かります。 ここも自分勝手な人間性の暗い部分をさっくりとさらけ出しています。 この当たりでは,螢にも以前より焦点が当たるようになってきていて,新鮮でよかったですね。 螢のナレーションも入ってきてます。

一方,最後の方で五郎が自己に会い,雪の中で半分凍死しかけるのですが,ここで妻のれいこ(いしだあゆみ)の幻影を見ます。 五郎は「あいつら(子供たち)は自分で責任取りたがってる。 オレはもう必要ないのかな…」というとれいこは「まだ飛び立つには早い。 私たちの巣を守って。 帰るところを守って」と言い,消えてしまいます。
正直,ここはクサすぎてかなりサメてしまいました。 死人を持ち出すようになったか???と。
確かに,ここは足を挟まれ回りに何も無いところでも何とか生き延びる生命力の強さを持ってる五郎のすごさを見せつけるシーンなのですが,この死人持ち出しはちょっと………。

でも確かに見終わった後に「誠意って何だろう」と思ってしまうほどのチカラが演技と脚本にはありますね。

0 件のコメント: