北の国から 2002遺言

「北の国から」テレビスペシャル,およびシリーズ最終作です。

聞いたところによると,テレビシリーズのときからのスタッフも年を取り,引退し始めてなかなか難しい状況になってきて終わらせることが決まったとか。

富良野では螢が3歳になる息子の快を育てながら、看護婦の仕事をしている。五郎は体の不調を感じ、螢の勧めで検査を受ける。そして今後の事を考えて、遺言を書き始めるのだった。一方、草太から引き継いだ牧場を潰してしまった純は、多額の借金を残して富良野を去り、今は羅臼で暮らしていた。ある日、結という女性と知り合い、好意を抱く。しかし彼女に弘という夫がいると分かり窮地に立つ純は……。(DVDパッケージより)

まずはじめに言わなければならなことはタイトルの「遺言」にだまされてはいけない,ということです。
ほとんどの人が騙されたのではないかと思いますが,五郎が病気か何かになって死んで後に遺言が残る,というストーリーかなと勘違いしてしまいました。 勝手に勘違いした方がいけないのですが…。

ですが五郎は体調は悪くなるものの死にません。 でも劇中での「遺言」の使い方,なかなかいいと思います。 自分も後で考えてしまいました。 つまり自分が死んだ時のために,いつでも遺言を書くというものです。 それにより自分が死んだ後のこと,家族や友人のことをつねに考えておくというものです。 元学校の校長先生に遺言の書き方のコーチを受けるのですが,その人から「自分がいなくなったあとのことを考えながら買いてみなさい」を言われる。 確かにそうです。 遺言の書き方だけということではなく,そういうものを常に意識しておくということは大事なことかな,と。

遺言を下書き練習をしている時に,五郎はそのことに想いを馳せて一人号泣するわけですが,ここはすごくよかったですね〜。 さすがとしかいいようがありません。 それと最後に富良野を離れて消息が分からなかった正吉を訪ねて螢と息子が富良野から出て行く,というところがありますが,その電車を五郎が泣きながら追っかけるシーン。 ここもよかったです。 (最後のシーンですし) ストーリー的には「またすぐ帰ってくればいいじゃん」とツッコミを入れてしまいますが。

今回螢サイドのストーリーはあんまり展開はないかなと思います。 消息不明の正吉を待ちながら子育てをしている。 そして体調を崩した五郎を心配している,というくらいです。 でも劇中の子供は螢の実生活の子供ということで,子供がいなくなったかもしれないというシーンでは迫真の演技でした。

一方,純は草太から継いだ牧場がつぶれてしまい,羅臼へ引っ越している。 ここまでのところ,かなり劇的なストーリーがあるのですが,あっさりとナレーションだけで済んでしまっている。 ちょっと寂しいかなと思います。 ですが今回は純が羅臼で知り合う人と結婚に至るまでのハナシなので,それも仕方ないかなと思います。 でもそれにしても純は本当にいい加減なヤツですよね…。

今までふらふらと流されるように生きて来た純ですが,今回ついに「これじゃいけない,逃げちゃいけない」と改心します。 が,きっかけは人妻に手を出して(知らなかったとはいえ),そのダンナと仲間にボコにされたから。 おいおい,きっかけはきっかけだけど,もっときっかけは過去にもあったんじゃないの?と思います。 それと内田有紀が純の今回の相手役ですが,やっぱり「純のどこがいいのかな…」と思ってしまいました。 何かこれっていう出来事があれば,普段はそれほど冴えなくてもいいんですがね。

やっぱりシリーズ最後の数作は失速気味なのは否めませんね〜。 でもこれで最後だと思うとやっぱり寂しいです。
長い間お疲れさまでした。

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