Atonement

日本では「つぐない」というタイトルのようですね。 同名小説が基になっているようです。 アカデミーの呼び声も高い映画のようですね。 トータルで見ると、テーマ自体は面白いがあまりうまくまとまっていない、というのは正直な印象です。

完全な恋愛映画でもないし(全然恋愛映画ではないですね)、戦争映画でもないし、泣ける映画でもなく、思春期の子の成長物語でもありません。 僕の感想としては「人の醜い面を最大限に引き出して、それをまざまざと見せ付けた映画」かなと思います。 子供の嫉妬交じりのウソから始まり、最後のシーンの成長した子供が罪の意識から架空のハッピーエンドを小説に入れ込む(すなはち自己満足)で締めくくるという映画でした。

観た後の感触もすっきりせず、後味の悪さが残りました。 ただ人のエゴや醜い面は、個人のレベルだけでなく、社会(当時のイギリス家庭・社会)、そして世界大戦へといくつかのレベルで表現されていると思います。 またイギリスの田園風景はきれいに表現しているなと思います。

一旦、男が戦争にいってからは、黙々と戦場を歩いたり、大勢が虐殺されているシーンなど、あまりストーリーそのものに関係のないシーンなどが多かったりして脱線気味。 恋人の下に戻りたい、ということはそれまでに十分言い尽くされているので、なぜ戦場のシーンでそこまでしつこく見せる必要があるのか、少し理解しにくいです。 戦争が悲惨なのは十分分かっていることで、今更言われなくてもという感がありますしね。

アカデミーレベルでの映画ではないかなと思います。

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