The Sting スティング

70年代の名作「スティング」です。 昔何回か見たことがあるのですが、アマゾンでDVDがセールだったので買いました。

1930年代。シカゴの下町で、詐欺師の3人組が通り掛かりの男をヒッカケて金をだまし取る。 しかし彼らが手にしたその金は、いつもとは段違いの思わぬ金額だった。 その金はニューヨークの大物ロネガンの手下が、賭博の上がりをシカゴへ届ける為の金だったのだ。 仲間の一人のルーサーは引退を目前に怒った組織の報復によって命を落としてしまう。 そして主人公フッカーは天才詐欺師に弟子入りし、ロネガン復讐を誓う、というストーリー。

ストーリーだけ見ると、マフィアチックな映画を想像しそうですが、前編を通してもっと軽いカンジです。 ですが、競馬のノミのシーンや電車中のポーカーのシーンなどは手に汗握りますよ~。 最近のサスペンス映画なんかは少なからずこの映画の影響を受けているのではないでしょうか。 ポールニューマンやロバートレットフォードなどの演技もうなるほどいいです。

個人的には前述の電車の中のポーカーのシーンと女の殺し屋のところが「あっ!」と言わせられるカンジでいいです!

音楽も映画のテンポも軽快でムダがなく、ストーリーも簡潔、演技も抜群。 お勧めというよりは、見たことがないなら絶対見た方がいいという映画です。

第9地区 District 9

2010年アカデミー賞にもノミネートされたSF作品。

ある日、ほかの惑星から正体不明の難民を乗せた謎の宇宙船が、突如南アフリカ上空に姿を現す。攻撃もしてこない彼らと人間は、共同生活をすることになる。彼らが最初に出現してから28年後、共同居住地区である第9区のスラム化により、超国家機関MNUは難民の強制収容所移住計画を立てるが、プロジェクトリーダーがふとしたことからエイリアンの血に触れてしまい・・・というストーリー。

ヨハネルブルグの上空にエイリアンの難民を乗せたUFOが来て、難民として地球に暮らすことになり、そこが南アフリカということもありアパルトヘイトをいやでも彷彿させます。 建前としては差別ない、ということで、別な地区へと移送することになるのだが、ふとしたことで人間のエイリアンたちへの差別感情が出てしまう部分は、ある意味分かりやすい語り口だとは思いますが、それでもその描写がグッドですね!

またテレビなどでもその移送プロジェクトの様子や逃亡者の様子などが放送されるのですが、これも分かりやすい語り口ですが効果てきめん。 分かっていながらも引き込まれます。

アクションのシーンや暴力のシーンは、多少過剰なので少しびっくりしました。 南アフリカのケープタウンに来週から仕事でいく用事がありますが、あれが南アフリカの現状なのか?と多少思ってしまいます。 衛生状態や貧富の差などがかなり劇中でも強調されていたように思います。

アイデアといい設定といいかなり斬新な映画です。 主人公を演じるシャールト・コプリーは初めてみましたが、か・な・りいい演技しています!! お勧めの一本!!

バンテージポイント Vantage Point

スペインにおけるアメリカ大統領暗殺の顛末を8人の異なる視点から描くサスペンス映画。

シークレットサービスのトーマス・バーンズ(デニス・クエイド)は、同僚のケント・テイラー(マシュー・フォックス)とともに、スペインのサラマンカで開催される首脳会談に出席するアシュトン米大統領(ウィリアム・ハート)の警護にあたっていた。サラマンカ到着直後、大群衆を前に広場でテロ撲滅のスピーチを行うアシュトン大統領が突然、何者かに狙撃される。パニック状態に陥った広場の中で、狙撃の瞬間を目撃した8人は・・・というストーリー。

アイデアは面白いし、スピーディな感じはとてもよかったですね~。 それに異なる視点を見ていくうちに暗殺事件の裏側などが見えてくるので、謎解き的な要素もあります。 カーチェイスのシーンもかなり手に汗握りますね!

ただ、ネガティブな点としえては演技がみんなベタ。 シガニーウィーバーやフォレストウィッテカーなどの演技はも出演しているのですが、ベッタベタです。 つまり監督の演技指導などがダメってことなんでしょうね。 それと8人の視点を次々に変えていくのは面白いんですが、同じ演説やセリフを何度も聴くことになるので、3回目か4回目には「もういいって・・・」となってしまいます。 これって結構キツイですよね・・・。
それと最後のテロリストの視点では、もうそれぞれ別の人の視点というこの映画オリジナルのコンセプトも忘れさられて、ただひたすらエンディングへ進んでいきます。 製作者側の「あー、もういいや。 面倒くせー」というのが聞こえてきそうなカンジ。

結論ですが、この映画は見なくてもいい! 以上!

ボーン・アルティメイタム THE BOURNE ULTIMATUM

「ボーン」シリーズの3作目。 (多分)最終作です。

自分を暗殺者に仕立てあげたCIAの極秘プロジェクト、“トレッドストーン計画”などに関する取材を進めていた新聞記者ロス(パディ・コンシダイン)とロンドンで接触しようとしたボーン(マット・デイモン)。しかし、CIAの現地要員に監視されていたロスは、若い暗殺者(エドガー・ラミレス)に狙撃されてしまう。自分が暗殺者として育てられた記憶をたどりながら自分のルーツを追っていく、というストーリー。

前作と同じくアクションシーンとカーチェイスのシーンは必見ですね! 特にモロッコの複雑に入り組んだなかを暗殺者とジェイソン、協力者のニッキが歩きながら追いかけていくシーンはどきどきします。 また前2作と同様、テンポのよさはさすがハリウッドともいうべきもので、まさにハリウッド映画の得意分野だと思います。
ウォータールー駅での徒歩で追いかけあうシーンはイギリスの大きな駅の雰囲気もよく出てますし、手に汗握りましたね~。

今回もジェイソンが自分のルーツを追っていくというストーリーと、政府の極秘プロジェクトを暴いていくというダブルストーリーなのですが、2作目と同様ちょっとうまくまとまっていないかなという印象です。 確かにジェイソンにとっては極秘プロジェクトはあくまでもおまけでしかないのですが、映画としてはそこを軸にジェイソン以外の人が動いているので、どうしてもその視点で見てしまいます。 そこで極秘プロジェクトの件が済んだところで、ジェイソンのルーツの話に戻るので「あれっ? まだ終わりじゃないの?」と思ってしまいました・・・。
それと手持ちカメラで撮影するアクションシーンは目が痛い・・・。 最近のハリウッドの流行ですけど、僕は嫌いですね。 目の前で何かが速く動いているのが分かるという程度で、実際何がおきてるのかまでは分からないし・・・。

でも3作目が一番予算と手間をかけてるのがハッキリ分かるし、色々と細かいところまで行き届いているのでよかったですね。

ボーン・スプレマシー THE BOURNE SUPREMACY

マットデイモン主演のアクションサスペンス映画「ボーン」シリーズの2作目。

ジェイソン(マット・デイモン)とマリー(フランカ・ポテンテ)は人目を避け、インドのゴアで暮らしていた。相変わらずジェイソンの記憶は戻っていなかったが、町で見かけた男(カール・アーバン)が暗殺者と気づき、すぐ逃走するが、ジェイソンを狙った弾丸は無情にもマリーを貫いた・・・というストーリー。

今回は、冒頭で殺されたマリーの復讐を軸に展開し、さらに彼はある石油王の裏の顔に利用され、濡れ衣を着せられるというダブルストーリー。 前作のスッキリさに比べると、このダブルストーリーが足かせになっている気がしました。 濡れ衣の方は中盤を過ぎたあたりで解決されるのですが、復讐を遂げ、さらに彼の最初に殺したターゲットの娘に会いにいく、という流れ。
一通り終わったときに感じたのは、どこがこの映画のクライマックスかよく分からん、という点です。 それぞれの話の流れは分かるのですが、映画としてはまとまりに欠ける気がします。

今回、敵役の暗殺者には「ロードオブザリング」のカールアーバンが出ていますが、彼はいい演技してますね!! 逆にマットデイモンとフランカ・ポテンテ(恋人のマリー)はフツーというか、華がないというか、カリスマがないとうか・・・。 ちょっと弱いですね、残念ですが。

ですが、全体の映画の流れやテンポのよさは、前作同様小気味よく、スカッとさせてくれます。
カーチェイスのシーンも今回は改善され、かなりの迫力で楽しめます。

そこそこ面白いとは思いますが、やっぱり3部作の真ん中かな、という印象はぬぐえませんね・・・。

ボーンアイデンティティ THE BOURNE IDENTITY

「ボーン」シリーズの第一作目。 マットデイモン主役のスパイサスペンス映画です。

ある嵐の夜、イタリアの漁船が洋上に漂う意識不明の若い男を発見する。引き上げられたその男の背中には弾痕があり、皮下にはマイクロカプセルが埋め込まれ、それにはスイスの銀行の口座番号が印されていた。男はなんとか息を吹き返すが、記憶を失っており、自分の名前も分からない状態だった。数週間後、彼は身元の唯一の手掛かりであるスイスの銀行に向かう。その貸金庫にはジェイソン・ボーン名義を含め6ヵ国のパスポートや大金、そして拳銃が入っていた。助けを求めてアメリカ大使館へ行くが、そこでなぜか捕らわれてしまいそうになるが、偶然出会ったマリーの協力を得てパリへと向かう、というストーリー。

謎解きの要素もありかなりぐいぐいと引っ張り込む要素もあります。
何故か「彼」の体と頭に染み付いたものが、彼を窮地から救ってくれます。 そして次々に襲ってくる暗殺者を撃退していくうちに、彼の素性が少しずつ明らかになっていきます。 このあたりのテンポやペース配分はいいですね! ストーリー作りやアクション、色々な国を股に掛けての展開は目を見張るものがあります。

残念な点は以下の2点です。
- 最後に彼を抹殺しようとする上司と対峙しますが、そのときまでずっと「彼」が記憶喪失だとは知らずに追っかけてきたにもかかわらず、あっさりとその事実を受け入れ、彼がかかわっていたミッションをぺらぺらと話し出すのは、それまでがじっくりと時間を掛けて積み上げてきていたのに、ものすごい違和感がありました。 「えっ? そんなに簡単に記憶喪失なんて作り話的なこと、信じちゃうワケ?」と。
- カーアクションがしょぼい。 ヨーロッパの街中をカーチェイスするのですが、スピード感もないし、目を見張るようなスピンターンもないし、ちょっとしょぼいかな、と。 このシーンに予算をあまり避けなかったんだろうなと思います。

ですが、全体で見ればお勧めです!