プリンセスと魔法のキス (The Princess and the Frog)

ディズニー最新の「プリンセスもの」です。
手書きのアニメーションに立ち返ったとか。

ニューオリンズで自分のレストランを持つために,一所懸命働いている女の子がふとしたことから,魔法でカエルに変えられてしまった王子様にキスをしてしまいます。 フツーなら王子様が人間に戻って結婚,めでたしめでたしで終わると思うんですが,この映画はそうじゃありません! 逆に女の子もカエルになってしまいます。 そこで二人は一緒に人間に戻る方法を探して旅にでる,という内容。

ストーリーとしては面白いと思います。 ミュージカル仕立てなので,音楽や歌もグーですね。

ただし,全体で見たらぜんぜん面白くありません。
1, 「愛」が最上の価値観になってしまっていて説教くさく,キャリアを追求する女性を否定しているように受け取れる。 自分のレストランを持つために一所懸命に働いている主人公ですが,「愛」を優先させられるようなストーリー作りです。 しかも「愛」と「仕事」の両立は出来ないというようなセリフも多々あります。
2, 無理矢理プリンセスを作りたがる。 主人公の女の子はニューオリンズに住む黒人の普通の女の子なんですが,ストーリー上,無理矢理にプリンセスに仕立て上げています。 これはディズニーの「新しいプリンセス」を作ろうというビジネス上の動きの一環です。
3, ストーリーが無難すぎて退屈。 ストーリー的には,トータルで見ると今までのプリンセスもののようなカンジなのですが(王子様がいて,悪い魔法使いがいてetc),あまりに判で押したような典型的な展開なので,中盤飽きてしまいました。 古くさいプリンセスストーリーを作るのではなく,新しい新時代のプリンセスストーリーを作って欲しいものです。 ディズニーには常にエンターテイメントの最先端を行って欲しいと思います。
4, 観客に媚びたストーリー作り。 ピクサーはストーリー作りから数年かけて映画を作成します。 はじめにストーリーありきで,それでもし新しいCG技術が必要なようであれば,そこで開発していくというスタンスです。 ですが,最近のディズニーは観客に媚びていて,昔の成功した映画のストーリーラインなどを踏襲しすぎです。 それにキャラクターとしても「○○とゆかいな仲間たち」チックなものばかりで,ぜんぜん深みがありません。

ただし悪い魔法使いの手先になる「影」がたくさん出てくるのですが,これは雰囲気といいデザインといい,よかったですねー。

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