最近の映画…

最近,映画をぜんぜん見に行ってません。
ここのところ懐が淋しいということもあるんだけど,映画がさっぱり面白くないっっっ!!!

最近のハリウッドの傾向としてはこうです。
以前ヒットした作品の続編。これは10年経とうが20年経とうが無理やり復活させて,面白くもない続編を作ってしまうハリウッドの厚顔無恥なところは見るに耐えません。特に「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」なんかは最たるもので,目を覆いたくなるような内容でした。

すごーく残念なのは「ダイハード」シリーズもこのパターンにハマってしまったことです。アクション映画の中では最高に好きな部類なんですが,4と確か5までできちゃってますよね。ブルースウィリス,ノーって言ってよ…。

せめて!!お気に入りの「バックトゥザフューチャー」だけはそっとしておいて欲しいですね〜。「モンスターズインク」はそっとして置いて欲しかったなー,ディズニー。

次にハリウッドの最近の傾向として目立つのはCGだけが「やけにハデでストーリーもへったくれもなく,見た目のいい女優や俳優が出ている中身ゼロの作品」です。「トランスフォーマース」しかり「GIジョー」しかり,などなどです。俳優はブルースクリーンの前で演技するだけだし,あってもなくてもよし。ストーリーは型にはまったものだから,特に目新しいものもなく,ただCGのハデさだけが売りになってます。

新しい俳優も育たず,CGの費用だけがかさんでいくので,予算がただでかいだけの映画になってしまいます。

そんなこんなで最近の映画はホントつまらないなーと思ってます。ま,業界が大きいイコール食わせなければならない人が多いってことでこうなってしまってるんだとは思います。それに映画会社のトップの人間やハリウッドのトップ俳優がお金取り過ぎなんだよね,きっと…。

アルゴ Argo

ベンアフレックが監督,制作,主演をつとめた最新作。 アカデミーにもノミネートされています。

イラン革命真っ最中の1979年。イスラム過激派グループがテヘランのアメリカ大使館を占拠し、52人のアメリカ人外交官が人質に取られた。だが占拠される直前、6人のアメリカ人外交官は大使館から脱出し、カナダ大使公邸に匿われる。CIA工作本部技術部のトニー・メンデス(ベン・アフレック)は6人をイランから救出するため、『アルゴ』という架空のSF映画をでっち上げて6人をその映画作成のスタッフに身分偽変させるという作戦をたてる,というストーリー。

これは実話に基づいて作られた映画で,先日のゴールデングローブ賞にもトニーメンデス本人が出ていましたね。

まず映画全体としては,結構いい作品だと思います。 自分はまだ小学生の子供だったので,この出来事はぜんぜん覚えていませんが,アメリカ人でも同年代の人にとっては歴史(といってもまだ40年経っていませんが…)の一部で,当時の様子や雰囲気をよく捉えているようです。

冒頭のデモから大使館への進入のシーンは本当に鬼気迫るものがありかなり怖いシーンとなっています。 それと大使館の人たちが書類をどんどんシュレッダーなどにかけて処分するあたりなど,非常に興味深いです。

全体を通してベンアフレックがウマく監督をしたなと思うのは,人の「恐怖」をうまく捉えている点です。 上記の冒頭のシーンはもちろん,途中で6人のスタッフをバンに乗せて移動する際に,たまたまデモの一段に囲まれてしまうシーンなどは手に汗握りますね〜!

今作ではベンアフレック,監督としてちょっと見直しました。 俳優としては以前自分としては,どうかなと思いますが…。

2点気になった点があります。
ひとつは6人の大使館スタッフが,カナダ大使の家にかくまわれるのですが,何ヶ月も外に出ず恐怖におびえているはずなのに,あまり疲弊しているように見えず,昨日今日から隠れ始めたように見えることです。
もうひとつは最後の飛行機に乗るシーンが少しハリウッドチックな演出でチープだったかな?というとことでしょうか。

でも確かにアカデミーやゴールデングローブにノミネートされるだけの作品だと思います。 お薦めの一本!!!



東大新学期改革

ありがたいことに日本にいる父が面白い新聞記事をいつもスキャンして送ってくれます。
仕事柄,国際関係や留学関係に関連した記事が多いのですが,今回は東大の9月新学期開始と国際的な人材育成に関しての記事です。


東大は,入試の時期は変えずに新学期開始時期を国際的な基準である9月にしようと考えています。 メリットとしては国際的な入学時期に併せることにより,学部留学(語学留学に対して)をしやすくすることは可能だと思います。

この記事によると,入学と卒業の時期はまったく変えずに始業時期を秋にするという妥協案でまとまるのではないかというのですが,まったくその意味が分かりません。 つまり入学自体はする,でも授業開始は秋から。 その間の約5ヶ月間は学生は何もしないということなのでしょうか? また授業は何ヶ月も遅く始まり,卒業は3年半でさせられる,ということでしょうか? それこそ国家試験などの対策に割く時間が半年も削られるということでしょうか? 国家公務員などの質が下がるのでは???

それはともかく,今回の記事の中盤から筆者の提案があります。 東大試験に「英会話」を導入してはどうか?というものです。 確かにこの筆者が言うように,東大が先頭を切って,英語や国際化に対して本格的に腰を入れてくれば,6大学をはじめ周囲がそれなりに従ってくるだろうとは思います。 (のろのろとしたスピードだとは思いますが)

ただこの記事を見た瞬間「今更まだ「英会話」?」と思ってしまいました。 なおかつ「全試験の中の30%程度の比重」などと科目の一つとして扱いたがっているのが驚きです。

東大を受けようという学生の質がまだまだ過去のレベルとそれほど変わっていないと仮定するならば,「英会話」レベルの会話力などなんなく身につけてくるはずで,本来の英語の実力ではなく,テストを器用にこなすだけの賢さは持っているはずです。

今勤めている学校にも東大生が去年来ていましたが,勉強の要領というかコツを知っているので,力を付けるスピードはやはり早いです。 また留学という時間が限られた環境を最大限に活用する知恵やプランニング力もあり「とても器用」という印象でした。

それはさておき,以前から何度か取り上げていますが,英語は科目のひとつと扱っていたり,「英会話」などと特別視しているようでは,到底先はまだまだ長いです。 確かに段階的に変えて行かなければ,という考え方も分かりますが,他国の意識レベルからするともう手遅れ的な時期に来ています。 なにしろ日本は80年代から国際化に関してはまったく進歩していないのですから。 「国際化」という言葉が「グローバル化」となり「ボーダーレス」とスライドしているだけで,議論の本質や国内の状況はまったく変わっていません。 その間に他のアジアの国ではアメリカやイギリスなどにどんどん留学し,英語で学位を取ったりビジネスを行うことをまったく普通のこととして捉えています。

東大入試に英会話を取り入れるなどと中途半端なアイデアよりは,「東大入試は筆記も願書提出も全て英語にて行う。導入は3年後」とした方がベターではないかと思います。 5年も待つ必要はありませんし,待っているだけの余裕もありません。

もっと現場にいる教授などが外国に出て,実情を分かってくれるのが一番早いのですが…。 国内のペースだけで事を進めるのではなく,国外ともペースを併せるべく動いていかないと立ち後れていくばかりです。 これも「グローバル化」「ボーダーレス化」の一部なんですけどね…。 彼ががまず「グローバル化」していかないといけない,ということなんだと思います。