ヤング≒アダルト Young Adult

シャーリーズセロンの最新作。 ヒューマンドラマ(?)です。 間違ってもコメディじゃないと思います。


37歳でバツイチ、恋人もいない、執筆中のヤングアダルトシリーズは終了間近で新作の予定も決まっていない自称作家のゴーストライター、メイビス (シャーリーズ・セロン)。高校時代の恋人バディ(パトリック・ウィルソン)の妻から子どもが生まれたという内容のメールが届く。バディとヨリを戻し青春時代の輝きを取り戻そうと考えた彼女は、故郷の町へ舞い戻るが…というストーリー。


まずこの映画で目を引くのはやっぱりシャーリーズセロン! 高校時代は誰もが憧れる女の子だったのに,今ではぱっとしないバツイチ女性。 見栄を張ることだけは一流で,実際は地に足がついていない女性を見事に演じています。


この映画をみた正直な感想は「あんまりアメリカ(というかLA?)の現実に近すぎて最後まで観たくないな〜」というトコロです。 この映画の作り方からいって,セレブになれないけれどもセレブの気分でいるメイビスとその周囲のフツーの人たちの対比があまりに痛すぎて,あんまり笑えません。 こういう人,時々見かけます…。


高校の時に足を折られた男性の演技はなかなかいいですね。 でもちょい役で止めておいた方がもっとよかったかも。 結局メインキャラクターになっちゃってるし。

う〜ん,映画としてはあんまり楽しめなかったかなー。 でもシャーリーズセロンのファンなら必見!というところかな?


NBCのコメントで「心温まる感動作」とありますが(下記の予告編の4秒目),違う映画のことなのかな?って思ってしまいました。 心温まるどころか心が冷えきってしまいました。 感動どころの話じゃありません!!


それにしてもこの予告編,出来が悪いですね…。 映画のほぼ全部を見せちゃってるし…。 




ミリオンダラーベイビー Million Dollar Baby

クリントイーストウッド監督作品。 本人も出演していますが,ヒラリースワンクやモーガンフリーマン共演です。

ロサンゼルスで古いボクシングジムを営むフランキー(クリント・イーストウッド)は、タイトルマッチに挑戦寸前、唯一の金のたまごでもある選手に他のジムに移籍され意気消沈していた。 そこへボクサー志望の女性が現れて,はじめはコーチすることを拒否していたフランキーだが…というストーリー。

「何故今更ミリオンダラーベイビー?」と思う人もいるかも知れませんが,ヒラリースワンクあんまり好きじゃないんですよね…。 でも少し前にみたJエドガーの出来があまりによくなかったんで,じゃついでにミリオンダラー…も観てみようかと思ったわけです。

結論から言いますと今まで観た中の映画の中でもトップクラスに入ると言ってもいいでしょう。 観る前は「どーせ女性ボクサーが勝ち残っていく女性版ロッキーみたいな映画だろう」と思っていたんですが,とんでもない! 確かに中盤まではそのような展開ではありますが,後半からがまったく違う! 詳しくはこれから観る人のためにあまり詳しく書きませんが,自分が好きな映画のジャンル「究極の場面では人はどのように反応し,どのような決断を下すのか」というところにスッポリとハマりました。 (同じ理由でゾンビ映画が好きなワケです) このあたりからの人物描写や演技,ストーリー運びなどはさすがクリントイーストウッドと言えるでしょう。

いつもこのブログではポジティブな点とネガティブな点を公平に書こうとしているのですが,この映画はあまりネガティブな点は見当たりませんね〜。 あえていうなら英語が分かりにくいことかなと思いますが,ボクシングジムに寝泊まりしてるモーガンフリーマンや,教育を受けていないヒラリースワンクの役柄では,教育水準の低い人の分かりにくい英語を話させるのが当然なので,これは逆にリアリティを追求した結果と言っていいでしょう。

この映画は是非是非是非観て欲しい映画ですね!!!!!!!

メリダと恐ろしの森 Brave

毎年一作ずつしか発表しないPixerの最新作です。 今までトイストーリーやカールじいさんなど,数々の名作を世に出して来たピクサーだけに期待大です。


王女メリダは王家のしきたりや伝統に反発を覚え、娘に女性らしい優雅さを身に付けるよう願う母と度々ぶつかっていた。そんなある日、彼女は鬼火に誘われるようにして森の奥深くへと入り込み、魔女の家にたどり着く。そこで彼女は母親を自分をもっと理解してくれるような呪文を教えて欲しいと頼むのだが…というストーリー。


まず相変わらずCGの質や表情,動きなどは抜群のクオリティの高さですね〜。 それにいつものピクサーの作品らしく,キャラクターが活き活きとしてるところはいいですね。


また最後のクライマックスはかなり手に汗握りますね。 それにお約束の涙ホロリもありです。 ピクサーはいつでも大人も子供も同時に楽しめるいわば映画の二重構造なわけですが,今回もそれは健在で「母子」と「運命」が今回のテーマと言っていいのではないでしょうか。


一方,ピクサー初のおとぎ話かつプリンセスものということで,正直これまでの想像力溢れるピクサーらしさというか雰囲気のようなものはあまりない気がします。 見終わった後の後味としては,ディズニーの「ボルト」のようなカンジでした。 (ボルトはピクサー作品ではない) ディズニー作品としてみると,質は高いんだけれども,ピクサー作品としてみると,もうちょっとガンバって欲しいかな,というのが正直な印象です。


ピクサーの毎年の質が高すぎて,期待値のハードルがどんどん高くなっていってしまってるかなと思いますが…。 ただ個人的な意見としては以前のようにピクサーはディズニーの参加から抜けて好きなものを作らせた方が絶対にいいものを作ります。


ディズニーは映画をグッズ販売のツールとして見てますので,去年が子供に絶大な人気がありグッズ販売も他の作品を圧倒的に凌ぐ「カーズ2」。 その前がトイストーリー3。 続編ばかりです。 さすがにピクサーですから,続編を作らされても(勝手に作らされてると決めつけてますけど),かなり質の高い作品を作ってますけどね。

それでもここ最近の映画の中ではこの「メルダ」,いい作品に仕上がってます。
観る価値ありです!