学問のすゝめ

福沢諭吉の有名な著書「学問のすゝめ」です。

これは明治の時代に入ってから約5年ほど立った時に彼が記した実用書と言われています。
時代は名目上,近代へと入ったものの,人の精神や意識は以前として江戸時代のまま。 このままだと西洋諸国に植民地化されてしまう,ということで記したのがこの本だということです。

誰でも一度は疑問に思ったことのある「どうして勉強(学問)をするのか?」という問いかけに実用的な視点から答えています。 学問=教養がなければ精神的自立はない。 精神的自立がなければ自己としての独立も成り立たない。 自己としての独立がなければ国家としても成り立たない。 つまり西洋に侵略されてしまう,だから学問が必要なのだと。

それに彼の有名な言葉である「天は人の上に人を造らず,人の下に人を造らず」ですが,これは人は全て平等だということを言っているのではなく,実はその後にこそ彼の最も言いたい要点が秘められています。 つまり産まれたときは平等でも,大人になるにつれ貧富の差が出たり,社会的地位に差がでたりします。 色々な要素が他にもありますが大きな要素のひとつは教育にある,というのです。 つまり学問をして経済的にも社会的にも地位を向上させましょうということです。

これはあくまでもはじめの一章の要約ですが,今現在の価値観に照らし合わせても,十分またはそれ以上に頷けるところがたくさんあります。 時々福沢節で,少し極端な意見も飛び出してきますが,それはそれでいいかなと思います。 後半は,はじめの数章が好評だったために書き足されたものだということです。

この本は大人だけでなく,中学校くらいの子供からでも十分読める本です。 子供に「なんで勉強なんてしないといけないんだよ?」と聞かれたら,この本を読めというのもいいかなと思います。

お薦めの一冊!!

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