猿の惑星:創世記(ジェネシス) Rise of the Planet of the Apes

かの名作「猿の惑星」の新作。
そして私の大っ嫌いな「大元はこんなカンジで始まったんですよ」映画です。

アルツハイマーを直すクスリを動物実験で投与された猿。 その息子の高い知能を持つ猿のシーザーは人類に裏切られ、自分の仲間である猿を率い、自由のために人類との戦いに向けて立ち上がることに。人類のごう慢さが、猿の知能を発達させてしまう要因となり、人類にとって最大の危機を巻き起こしていく,というストーリー。

今回一番よかったのはアルツハイマーで苦しむ父親役のジョンリスゴーです。
一旦は息子の開発したクスリで回復の兆しを見せ,猿のシーザーをかわいがるものの,またアルツハイマーに犯されていき最後には亡くなってしまうというもの。 アルツの時の演技と普段の演技のギャップが悲哀を感じさせます。 さすが,という演技でした。

そしてハリーポッターシリーズで意地悪なマルフォイを演じているトムフェルトンが動物シェルターのこれまた意地悪な世話人として出ています。 さすがに意地悪な役どころが定着してて結構いいかも! 「く〜,こいつひでーヤツだな」と思ってしまいます。

逆にあまりよくなところとしてはCGですね。 ロードオブザリングシリーズのWETAが担当しているにも関わらず,猿の顔のアップはCGだと一発で分かるような出来。 それに猿がななめ45度とかでカッコつけて立ってるところの演出とかは興ざめです。 そこまでドラマチックにやりすぎなくても,と思います。

それに子供の頃,オリジナルの猿の惑星を見た時は「そっかー,こんなに時がたつと猿の方が進化が進み過ぎちゃうのか〜。 人間は傲慢になっちゃいけないなー」と思っていたのですが,なんと薬品投与で知能が発達したという設定!! オリジナルのありがたさも何もない! それにオリジナルでは人間の知能も退化して言葉も話せなかったのに,それに対する説明もなし! つまり中途半端。

完全にオリジナルと関係ないハナシとして見るならば,アルツの父親,それを助けたい科学者の息子,知能の発達した猿,という面白いキャラクター陣なのですが,オリジナルの猿の惑星と結びつけようとした時,かなりがっかりします。

オリジナルのファンの人は見ない方がいいでしょう。
今回,すぐに口直しでオリジナルのDVDの配達を予約しました。

 

グリーンランタン Green Lantern

またまたアメコミの実写化です。
グリーンランタン,訳すと「緑の提灯」です…。 さすがにタイトルに提灯はね…。

無謀な性格のテストパイロットのハル(ライアン・レイノルズ)はある日、瀕死のエイリアンの持つリングのパワーに導かれ、グリーン・ランタンのメンバーとなる。 自信家の彼も、当初は宇宙最強の武器とうわさされるパワーリングの力と宇宙の番人役としての務めに戸惑っていた。だが、恋人(ブレイク・ライヴリー)や仲間を守るため、戦いに身を投じていく,というストーリー。

正直すぐに忘れてしまうようなストーリーです。
広大な銀河を分割してその平和を守っているグリーンランタンという正義のグループ。 選ばれたハルはトレーニングを受けますが,その先輩たちのメンバーも型にはめたようなキャラクターばかり。 厳格なリーダー,粗暴でカラダがでかいヤツ,それと少しもの静かで哲学チックなヤツ,ってどこかでみたことがあるようなメンバー。 何千人もグリーンランタンがいるんだから,もっと面白い設定にすればいいのに…。

ま,それはともかく,面白いのはグリーンランタンのチカラで,心に思い描いたものを実体化でき,それを武器に戦うというもの。 戦車を出したり,盾を出したりします。 初めて地球でデビューするときには,暴走したヘリコプターを誘導するために滑り台を出して,その上をヘリが進むというのはなんとなく,オリジナリティがあってよかったです。 それと尊敬するパイロットの父親(既に死んでいる)とのハルの心の葛藤はなんとなくいいですね。

でも笑えるのは,緑の顔のマスクをしているにも関わらず,あっという間に数人の人にハルだと見抜かれてしまう点です。 マスクの意味,まるでなしです。

グリーンホーネットとリリースのタイミングも近いし,アメコミ映画も結構多いし,なんとなくすぐに忘れ去られてしまいそうなカンジです。

見ても見なくてもどっちでもいいような映画です。