トロン: レガシー Tron Legacy

80年代にカルト的ヒット(?)となったCG映画の続編です。

デジタル業界のカリスマ、ケヴィン・フリン(ジェフ・ブリッジス)が謎の失踪(しっそう)を遂げてから20年たったある日、27歳に成長した息子サム(ギャレット・ヘドランド)に父ケヴィンからのメッセージが届く。サムは、父ケヴィンの消息を追って父のオフィスに足を踏み入れるが、そこにはデジタル世界への入り口があり,彼はそこへ足を踏み入れていくことに…というストーリー。

まず笑っちゃうんですが,始まりのディズニーのロゴの場面からしてカッコいい!! 思わずおおっ!と思ってしまいます。 そしてCGの質や画像のきれいさは抜群。 デジタルの世界を120%余すところなく見せてくれます。 でも実は冒頭の実写のバイクの場面も結構いいんですよ〜。 どっちかというとこちらのバイクシーンの方で久々にバイクに乗りたくなりました。 それと最近,何十年も経った後の続編(ダイハード4とかインディアナジョーンズとか)の不自然さが目立ってたのですが,今回は父親が20年間失踪しているというすごく自然な理由付けが出来てたのでよかったですね!

デジタル世界に入ってすぐのディスクを投げ合ったり,バイクのシーンですが,これはとにかくいい出来ですね〜!! ディスクの投げ合いではヘンテコなポーズを取るのが一瞬気になったもののそれはよしとしましょう。 スピード感や質感など言う事なしです。

一方,一旦父親の隠れ家に逃げ込んでかれはストーリー的に中だるみした感がありますね…。 この映画にはアクションと映像美のみを期待していたので,ストーリーやなんやらの説明はもっと簡潔にまとめて欲しかった! ですが中盤に登場するマイケルシーンのキャラクターがいいのでぱっと一瞬盛り返した感はありますね。 残念ながらあっという間に殺されてしまいますが…。

父親役のジェフブリッジスが,若い姿を顔のモーションキャプチャーでやるのですが,ここは何故かCGの質があまりよくなかったです。 ハリポタシリーズのヴォルデモートと同じ手法のはずですが,こっちの方がはるかにホンモノっぽいです。

最後の飛行機のバトルのシーン,もっとドハデにして欲しかったですねー。 それこそバイクとかクルマとかを組み合わせて,前半のシーンを超えるくらいのアクションシーンにして欲しかった。

トータルで見ると100点満点中,65点くらいかなー。 残念ながらもうひと頑張りして欲しかった。 でも映像はとにかくすごいので見る価値ありです。



下は元のトロンのトレーラーです。

ツーリスト The Tourist

ジョニーデップとアンジェリーナジョリーの最新作。 ビッグな二人が競演しているところも話題のひとつ。

イタリアを訪れたいまひとつさえない数学教師のフランク(ジョニー・デップ)は、ベニスに向かう車中で謎の雰囲気を漂わせるエリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)に声を掛けられる。 エリーズはある指示を受けてフランスからベニスへ向かう電車に乗っていた。 魅力あふれるエリーズに誘われるがまま、彼女に従うフランク。しかし、そのウラには彼が知らない「何か」が進行していた。 そして彼は意志に反してその何かに巻き込まれて行く,というストーリー。

コマーシャルだとトラップまたトラップといった陰謀モノを想像するようなカンジなのですが,実際はコミカルな会話も多く,クスクスっと(人によってはゲラゲラ)笑うシーンも多かったです。 特に海外慣れしていない典型的なアメリカ人観光客を茶化すようなジョークも多く,かなり笑える映画だったのは意外でした。 ある意味,結構コメディチックかな,と。

ベニスを縦横無尽に動き回るところはよかったですね〜。 屋根の上を走って逃げたり,ボートで運河を逃げたりなどなど。 去年,ベニスへ行ったばかりなので「おおっ! ここ知ってる!」というところばかりでした。 イタリア,ベニスのよさを120%出し尽くしていましたね。 ベニス観光局とかからお金が出てるのか?と思うくらいです。

ジョニーデップはちょっと冴えない数学教師を上手に演じてます。 アンジェリーナジョリーは,いつもの「タフな女性」を演じてます。 こっちは演技上,ちょっと物足りない気もしますが,人に聞いたところでは別な映画でちょっと大人しめのいつもと違う役を演じたときはかなりひどかったそうです。 なので,これはこれでいいのかなと。

前半でアンジェリーナジョリーがインターポールに尾行されているシーンで「こんなベタな尾行があるか?」と思ったり,ジョニーデップがアンジーにあんなにこだわるのがちょっと不自然な気がしていたのですが,途中や最後でそれらの謎は徐々に解けていきます。

全体としては大人しいカンジの映画で,ハリウッドチックなドハデなアクション,爆発,カーアクションシーンは有りません。 そのため,中盤ちょっと淡々とし過ぎているところはあると思います。

公開初日はあんまりぱっとしなかったようですが,典型的なハリウッド映画ではないという点で,すごく楽しめました。 ハデさはないですが,結構お薦めです! イタリア語,スペイン語,英語などと絡めたジョーク,アメリカ人観光客を茶化したジョークなどが多いので,この辺の周辺知識を貯めておいた方がより楽しめるかな〜。

ラーメンガール The Ramen Girl

ブリタニーマーフィー主演の映画です。 ブリタニーマーフィーってぜんぜん知りませんでしたが・・・。

恋人を追って日本に来たのに、体よく振られてしまったアビー(ブリタニー・マーフィー)。 そんなアビーを救ったのは、一杯のラーメンだった。 ボーイフレンドに振られ日本での生活もつらく感じていたアビーはラーメン店で修行をすることを決意。 しかし、店主マエズミ(西田敏行)は酒飲みで短気、アビーに雑用ばかりを命じる。 ある日、ラーメンの達人(山崎努)がアビーの味を認めてくれないと店を辞めるという賭けにマエズミが乗ってしまい…というストーリー。

まず映画としては、つじつまの合わないところがたくさんあり「???」ということが多かったですね~。 たとえば、マエズミの作るラーメンでは人々がニコニコしてしまうという「ショコラ」チックなものがあり、ちょっと微笑ましいと思いながら、見ていたのですが、この「ラーメンマジック」が起きたり起きなかったりなんですね!! 途中で「あれっ?ラーメン食べてるのにニコニコしたりしないなー。 何で?」と思ってしまいます。 そうかと思うとアビーのラーメンを食べて泣いてしまう人がいたりと、戸惑ってしまいました。

それ以外でも「あれっ?つじつま合わなくね?」的なことが多々ありました。 それと勤めてた法律関係の会社もいつの間にか辞めて、ラーメン屋一本で仕事してたみたいですが、ビザはどうしてるんだ? 不法滞在か?と思いました。

ただし!!
外国人が日本の生活や日本人をこう見てるんだな、というところなどはかなり正確だったと思います。
それにアビーが「自分を表現するために」ラーメンを作ったりしますが、マエズミが「おまえはいっつも自分、自分ばっかだな!」というところなどは外国人の自分を中心に考える考え方などを的確にあらわしてると思います。

それと日本人俳優勢、最高の仕事してます!! 西田俊之、サイコーの演技です! まさに機嫌の悪いラーメン職人というカンジです。 特にブリタニーマーフィーの演技が壊滅的なので、特に際立つのかも知れませんね~。 でもアビーが出会う英語の話せる新しいボーイフレンドは韓国人の俳優のようですが、日本人男性俳優、あの程度の英語での演技はこなして欲しいですね!!!
それとマエズミのお母さんにラーメンの味見をしてもらい、アドバイスをもらうのですが、ここはこの映画の最高の見せ場ですね~。 料理の心得の真髄を上手にきっちり見せてくれます。 お母さんの演技も最高!

あまりお勧めするような映画でもありませんが、ちょっとした突っ込み系の笑いが欲しいときにはこの映画、いいかも知れません。

塔の上のラプンツェル Tangled

ディズニーの最新「プリンセス」ムービー。

永遠の若さと美貌を求める魔女は,それを可能にする魔法の髪を持つ赤ん坊のラプンツェルをさらい,高い塔の上に自分の子として閉じ込めてしまう。 そこから一歩も出る事なく18歳まで育ったラプンツェルは、母親(=魔女)以外の人間に会ったこともなかった。 ある日、お尋ね者の大泥棒フリンが、母親の留守に追手を逃れて塔に侵入してくるが、ラプンツェルの魔法の髪に捕らえられてしまう。 そしてラプンツェルは彼に外の世界へ連れ出してくれるように頼むのだが…というストーリー。

トータルとしては,結構うまくまとまっていて楽しめました。 歌や踊りも多すぎず,キャラクターもそれぞれ立っています。 特筆すべきはとにかく長い髪の毛のCG処理です。 専門のCG担当がいるだけあって,かなりきれいに仕上がっています。 後半,走り回るために短く三つ編みにするのですが,これもなかなかきれい。 他はちょっとCGがきれいすぎる気もしますがなかなかの出来と言っていいでしょう。

キャラクターもそれぞれかわいく作り込まれていて,なかなかいいカンジです。 それに声も結構合ってるかな,と。 最後に長い髪が切られてしまいますが,それが元に戻らないというのはかなりグーです。 今までのディズニーならば,魔法の髪も元に戻ってめでたしめでたしとなったハズです。 それに短い髪もショートヘヤ好みの自分としてはグーです。

2点気になったのは,ストーリーが型にはまったような「ディズニーのプリンセス」モノで,展開がきっちり読めてしまうところと,カメレオンと馬のキャラクターに新鮮さがまったくないことです。 悪く言うと「ディズニーのプリンセス公式」にぴったり当てはめただけで,一丁上がりというカンジが否めません。 馬なんかは「ムラン」とかに出て来た馬と同じかな?と思ってしまいます。

ここ近年の非ピクサーのアニメ,CG映画の中では以前ボルトが一番ですね。 でも女の子のいる家庭にはお薦めかも? 日本は3月公開です。