そして父になる Like Father Like Son

カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した「そして父になる」です。なんとロサンゼルスで上映しているのを見つけて見てきました!LAでも2館ほどしか上映していないので、かなり貴重な映画館です。

しっかりしたキャリアを築き、理想的な家庭を築いて来た良多(福山雅治)。順風満帆な人生を歩んできたが、ある日、6年間大切に育ててきた息子が病院内で他人の子どもと取り違えられていたことが判明。血の繋がりか、これまで過ごしてきた時間かという葛藤の中で、それぞれふたつの家族が苦悩し…というストーリー。

結論から言うとかなり良質のヒューマンドラマです。なぜアカデミー賞の外国語映画部門にノミネートされないのか不思議なくらいのクオリティです。(アカデミー賞は最近商魂が先行しすぎていてまったく興味が持てなくなりましたが…)

この映画では子役がとにかく自然に「子供」をやっていて、自然でとても良いです。ディズニー映画の子役とかだと鼻持ちならないような演技だったり、監督がどう演技指導しているのかが見え見えだったりしますが、この映画ではそのようなことはまったくありません。

それに静かに淡々と進んでいるように見えても、セリフのひとつひとつや視線などに各キャラクターの気持ちのこもったものが感じ取れます。

主役の福山雅治はミュージシャンとして好きでよく聞いていますが、今回は演技でもやってくれました。またもう一組の夫婦の奥さん役を演じた真木よう子、なかなか良い仕事をしています。

父親同士の対比、母親同士の対比、子供に対する男の感じ方と女の感じ方など、とても上手に表現していると思います。とても重いテーマなので、すぐに何回も見るのは難しいかも知れませんがまた必ず見たい映画です。

下記の予告編はイギリスで上映された際のものです。アメリカ版もあるのですが、やたらと説明っぽかったりスキャンダラスなカンジに仕立てられていて、こちらの方がよかったなと思ったので載せてます。